1996年07月18日
株式会社企画屋
検証!インターネットビジネス
オリジナルドメイン名付きレンタルサーバーサービス
発行1996年7月18日-- [PCWORK8月号] 7/18日発売 33ページ
|
インターネットを利用した情報発信は、ビジネスを拡張するために非常に有効な手段として認識が進んで居る。ただその反面、独自でwwwサーバーを運営するとなると設備投資や運用担当者のl件費など、特に中小企業には負担が重い。
そこで最近ニーズが高まっているのが、プレゼンスプロバイダーと呼ばれる一種のレンタルサーバー業。
しかも、運用サポートだけでなく、“間借り”を感じさせない「オリジナル名.co.jp」といった、シンプルでわかりやすいドメイン名を取得できるサービスも提供される。そうしたオリジナルドメイン名付きレンタルサービス(基本デスクスペース35MB、10Mbps1.5MbpsのT1回線6本のバックボーン)を、月額6,980円という破格値で6月10日より開始した、有限会社企画屋の筆頭企画人である千葉春彦さんにお話をうかがった。 |
◆WWWサーバーをレンタルする意義は?
「自社内にサーバーを置くと、運用に割く人件費をはじめ、相当な費用がかかるのが現状です。自社内のイントラネット構築の延長線上ならまだしも、ホームページビジネスのための自社サーバーは、ほとんど意味がありません。その部分にかける費用は、コンテンツ制作に回した方がはるかに有利です」
◆オリジナルドメイン名の意義は?
「第1に、ドメイン名でコンテンツを直感的に連想させる事が出来る点です。第2にアドレスが短くなるので、覚えやすくかつアクセスが簡単になる点です。従来型の、プロバイダー名の次にユーザー名、その後にファイル名では長すぎます。もう1つ強調したいことは、今回の格安レンタルサーバーの大きな特徴でもある、「パーソナルドメイン」と言うサービスです。例えばある会社がホームページを作る際に、自社の商品やサービスごとのドメイン(ホームページ)を作ることが出来れば、わかりやすさの点からも非常に効果的です。
ところが、現在ドメイン取得には、「組織型ドメインは法人格が必要」「1組織1ドメイン」という2つの障壁があります。パーソナルドメインサービスは、そうした制約をクリアしつつ、複数ドメインによる有効なホームぺ―ジ構成、展開を実現します。また、電子メールについてもメリットは大です。
メールが巨大集合団地(大手プロバイダ)の住所ではなく、自分の名前で届くということは、インターネットの中で自社ビルを所有したのと同じ様な感覚です。これがいかに相手にアピールするかは、言うまでもないでしょう。」
◆月額6、980円という価格の秘密は?
「サーバーをアメリカ置き、それがあたかも自社のネットワーク内にあるような設定を、日本に置いたDNS(ドメイン、ネーム、システム)サーバーに施して、日米の通信コスト差を利用しました。 また、wwwサーバーソフトのアッパチもポイントの1つです。これは、1台のマシーンに複数のIPアドレスを割り付ける事を可能にし、1台のマシーンの中に架空のマシーンが数百台あるかのように見せかけられるシステムです。一般的にはバーチャルソフトとも言われ、この仕組みが大幅なコストダウンを成功させました。」
◆今後の展開は?
「プレゼンスプルバイダーの開業支援をやりたいと考えています。役所の届け出からすべて面倒を見、設備や技術者のいない所はこちらですべて代行します。今まで5百万とも1千万とも言われてきたこのビジネスのイニシャルコストを、少なくとも数十万円にしたいですね。そうしなくては、日本のインターネットコンテンツビジネスは実らないでしょう。」